「シャーロック・ホームズ 緋色の研究」コナン・ドイル 感想
ミステリーも推理モノも嫌だ合わないって今まで読んでこなかったんですが、どうして自分はシャーロック・ホームズなんて開いてるんでしょうか。
はい、大人気アプリゲーム「Fate/Grand Order」通称「FGO」の影響ですね。
エレナ・ブラヴァツキーがうちの主戦力であるのにいつだかの水着イベで唐突にホームズにエレナをいじめられてクッソコイツ…!となってたところ
第二部が始まってからまんまと運営の策に転がされました。
ロマニがいないのに第二部でサーヴァントの皆がいなくなってダ・ヴィンチちゃんもあんなになってしまって心細さ極まれりというところにホームズの再登場ですよ。
ホーームズ!!!
この再登場にどんなに心強さを感じたか。
いつもそばにいてくれて自分を支えてくれてた自分の精神支柱の一部であった面々が次々いなくなって心身共に弱りきっていたところにこの登場は姿を現してくれただけでも励みになります。
そんなわけでまんまと運営の手に乗ったわけです。
すっかりホームズが好きになりました。
ついでにミステリーとか推理とか人が死なないと物語が始まらないなんて三流作家じゃないかなんて考えであるわけですが、そのジャンルの代表作であろう「シャーロック・ホームズ」を自分は食わず嫌いで読んだことがなかったなと。
せっかくFGOきっかけにホームズ好きになったんだから読んだことなかった「シャーロック・ホームズ」を読んでみてもいいんじゃないかと。
それでだめだったらこのジャンル金輪際読まなくていいよねなんてわけで買いに走ったわけです。
端的に言って
めちゃくちゃ面白かった!!!!
頭の悪い感想が先に来るほどには面白かったです。
人を見ただけでどんな人か来歴からついさっきまで何をしていたかまで観察ひとつで見抜いてしまうシャーロック・ホームズの観察眼に脱帽です。
靴底の跡や足幅でその人の身なりや身長がわかったり、煙草の灰でどこの銘柄かわかったり、そういうところも判断のポイントになるのかと読んでてワトスンくんと一緒に興奮を掻き立てられました。
知識や観察学ないし分析学を物語として仕立て上げて、読み手に新たな分野への興味を引きつけた作品だなと。
今の自分でも、持ってる知識や分析をもとに何かを読み解けるかもしれないと思うと、いつも何気なく見ている日常の風景や人の動作を注意深く見るようになってそこで初めて気付く発見がきっとあって、その体験があるからもっと何かを知りたいって思うようになる、子どものうちに読んでたら間違いなく自分の身の回りに関心を持つきっかけになっただろうなと思う。
このシャーロック・ホームズはたしかにすごい。けれど、そのすごさを紐解いてみると、微細な箇所を蔑ろにせずひとつひとつの事実を拾い集める地道な作業の連続の末の集大成であって、シャーロック・ホームズが超人的な能力の持ち主で特別だからというわけじゃない。
まさに千里の道も一歩からを実践してきたが故の成果であって、その地道な努力が今花開いてきたんだと感じさせられる。
「緋色の研究」はシャーロック・ホームズの努力の道筋であって、これからの私たちの道筋でもある。シャーロック・ホームズは私たちの先駆者なんだと、思わず人の靴底とその持ち主を見比べてしまう。
読書家の知り合いに、ミステリーとか推理もの嫌いすぎて原点の「シャーロック・ホームズ」を読んでみたら面白すぎてみんなの言う面白いが理解出来た、と報告したら
「私はまだ読んだことがない」と言われてしまった。
私よりも長く生きてかつ読書家なのに、王道である小説を機会を違えて読まずに通り過ぎてしまうことも往々にしてあるもんなんだなと、日本の近代作家をほとんど素通りしている遅読読者としては勇気づけられる返答をいただきました。
考えてみれば世の中には多くの本が生み出されているのだから、示し合わせてもいない他人同士が偶然同じ本を手に取って感想を言い合えるなんて奇跡みたいなことだなと。
最近の話題作や有名な本ならその確率は上がるけど、それでも読書家さんに有名な本のネタを引っ提げて登場してみても、その人の別の作品は読んだことある、なんて言われるばかりで同じ本を読んだことがあるなんていうのはめったにない。
初見で読んだことある本が被るなんて有名な本であっても本当奇跡みたいな割合なのかもしれない。
単に私の本のレパートリーが少ないとかいう悪口はやめてください。
現在積ん読中です。
「シャーロック・ホームズ」、小さい頃に読めばよかったなんて思いません。
手に取ったその時が自分に適したタイミングだったんです。
アプリゲームがきっかけとはいえ、それがきっかけで何か別のことに手を伸ばすきっかけになるんだからなんでも手を出すに限る。
アプリゲームの「Fate/Grand Order」おすすめです。
ぬるゲーマーの世界史麻痺の自分がここまで手を伸ばせた功績は大きい。